ブラック・ミラーは一話完結型のオムニバス形式で情報社会を題材にしたSF作品。個人的にはNetflixで一番好きな作品だ。2018年末時点でシーズン4全19話が公開されていて、疑似体験、ソーシャルネットワーク、監視社会、バーチャルキャラクターなど実際によく聞くキーワードをテーマに物語が展開される。

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ジャンルとしてはSFもしくはサスペンスだがその中身は恐ろしく現実的で、目を背きたくなるような皮肉たっぷりで、たいていバッドエンドで終わる。

しかし2年連続でエミー賞を受賞しているし「もしかしたらこういう情報社会が来るんじゃないか」あるいは「これはもう既に始まってるんじゃないか」と危機感を覚える出来栄えは素晴らしいとしか言いようがない。不都合な真実のようなエピソードは誰もが持っている人間の暗黒さをまざまざと描いている。この記事では印象に残った2つのエピソードをネタバレ無しで紹介したい。

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まず1つ目は記念すべきシーズン1の第1話目。イギリス皇室の娘が誘拐され、YouTubeで首相に「豚との性行為を放送しろ、さもなくば娘を殺す」と脅迫するエピソードだ。脅迫映像は皇室の娘が映されてYouTubeに投稿されたため世界に届き削除も不可能となってしまう。全世界が注目する中、首相は人命と自分の尊厳で葛藤することになるのだ。「首相の配信を見るか?」と街でインタビューしてるシーンが印象的だった。

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そして2つ目はシーズン2の第3話目。バーチャルキャラクターを題材にしたエピソード。番組スタッフ演じるバーチャルキャラクター「ウォルドー」は政治家にも歯に衣着せぬ物言いで人気キャラクターだ。選挙戦の時期になりその人気からウォルドーを出馬させるとテレビ業界の幹部が言い出した。その場しのぎで罵声を浴びせる「ウォルドー」と中の人である本当の「自分」、どちらの主張が正しいのだろうか。正しいと判断するのは誰なのだろうか。

ところで日本でもVtuberが人気なのでぜひとも選挙に出馬を表明してほしい。個人的に世間がどう反応するのか行く末を見てみたいものだ。

ぜひとも第1話目だけでも観てほしいと思う。全19話の中でもっとも胸クソなエピソードだと思うので、これが観ることができたらあとのエピソードも大丈夫だろう。ちなみに全エピソードが胸クソというわけではないのでご安心を。

言っておくが胸クソだから良いと言っているわけじゃない。正直、誰もがこの作品を見るべきだと俺は思ってる。すでに始まっている発達した情報社会とどう付き合っていくべきなのか、そしてそこで自分はどう生きるべきなのか、考えるヒントがこの作品にはあると思う。

特にソーシャルネットはすでに現実だ。いじめもあるし犯罪行為もある。承認欲求が自分を見失わせているときもある。今一度、落ち着いて豊かな暮らしとは何か、思いを巡らせることも必要だと思う。俺たちには道具をどう使うのか、学ぶ機会に恵まれているはずなのだから。