APE OUTは2019年2月28日に公開されたインディーズゲームだ。檻を破壊したゴリラを操って人間界からの脱出を目指す。

操作は「移動」「突き飛ばす」「つかむ(キーを離すと「投げる」)」だけ。実際にやってみた感触ではキーボード&マウスよりもコントローラーがおすすめだ。やってくる人類共を跳ね退けて出口を目指すだけのシンプルなアクションゲームだ。

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人間は銃火器で武装していて、ゴリラを見つけると照準を定めて攻撃してくる。ダメージはゴリラが残す血痕の大きさで大まかに把握することができる。数回撃たれるとゲームオーバーになるがすぐリトライできるので、そのあたりは『ホットラインマイアミ』のようなデザイン、つまるところAPE OUTは死にゲーなのだ。


本作はシンプルなゲーム性でありながら、ダイナミックな色使い、大胆な字幕の演出、そしてパワフルなジャズ音楽などセンス溢れる作品に仕上がっている。まずはyoutubeでトレイラーを観ていただきたい。ルパン三世のオープニングのようなオシャレな脱出劇が魅力的。


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さて、この作品で語るべき魅力を2つ取り上げたい。


まずはゲーム性について。ビジュアルや音楽が優れていても肝心のゲームがおもしろくなければ良作とは言えない。この作品を良ゲーとして支えるのは、本能のままにウホウホと走ってもその場でギリギリ対応できてしまう、実に絶妙なスピード感だ。


敵の反応が遅すぎると単なる無双ゲーと化して達成感が薄まってしまうし、速すぎるとコアなプレイヤーしか楽しめなくなってしまう。敵(人間)が照準を定めて引き金を引くまでにゴリラ(プレイヤー)に判断が求められる場面も少なくないが、包囲を切り抜けたときのウホウホ感はたまらない。


そもそもマップや敵の配置は毎回微妙に変わるため事前に戦略を立てる意味がないので、プレイヤーは否応なしに本能のまま走ることになる。


ちなみにハードモードでは敵の量が増えて反応速度も上がるので、何もない一直線で無慈悲に撃たれることもあるので、実績解除か少しばかりの理不尽さを味わいたいなら挑戦してみてほしい。


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続いて魅力の2つ目、それは数多の作品群を抜いて光る"ジャズ音楽"だ。それもただジャズが使用されているのではなくゴリラのパワフルさ見事に表現している。


ゴリラが人間を水風船のごとく投げ飛ばす度にシンバルが鳴り響くとまるで本能を呼び起こされるように気持ちが高揚してしまう。人間をゴリラに進化(退化?)させてしまう音楽の力はプレイした者にしか味わえないだろう。


ゲーム内の「アクション」と「ジャズ音楽」、この異なる楽器が見事に"セッション"した新しい感覚を味わえるのが何よりもこの作品をプレイすべきポイントなのだ。

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P.S.

若きドラマーが主人公の『セッション』という2014年の映画がNetflixで公開されているのでAPE OUTでジャズ音楽に興味をもったのならぜひおすすめだ。